暑いなーと思えばクーラーをつけ、階段は疲れるからとエレベーターに乗る。こうして限りあるエネルギーを消費し続ける研究員A。なんとも地球に優しくない、根っからのぐうたら怠け者です。
「じゃあ、エネルギーを消費しないキカイを作ればいいじゃない」と思いますよね。なんてエコロジーな夢の機械。このような機械のことを「永久機関」といいます。かの万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチも一時期この永久機関の研究に凝っていたとのこと。ダ・ヴィンチのみならず、これまで多くの発明家がこの永久機関の実現を夢見てきました。
でも、残念なことにこの永久機関、熱力学第1法則および第2法則からその実現は不可能であることが証明されてしまうのです。それでは、今回は永久機関を通して熱力学第1法則についてお勉強してみましょう。
ただ、これだけのシンプルな法則です。エネルギーというものは熱になったり電気になったりと形を変えます。クーラーが部屋を涼しくする仕事をするのもエネルギーの一形態。自然界のエネルギーは、増えも減りもしないというのです。
所長には休息や研究員Aの優しい言葉が必要になるのです。優しい言葉がエネルギーになりうるかどうかはかなり疑わしいところですが。
第2種永久機関とは、熱を全て仕事に変える機関です。言い換えれば、効率が100%の機関。実は、これは熱力学第2法則からあり得ないのです。ちなみに、熱力学第2法則は「エントロピー増大の法則」でご紹介した法則です。こちらの永久機関を騙ったものは仕組みが複雑です。熱力学第1法則は満たしているだけに、その間違いを見抜くのは困難になります。ちょっとやそっとじゃわかりません。
効率が100%の機関があり得ない、ということは何を指しているのでしょうか。つまりどんなに効率の良い発電所を作ったとしても、何割かはエネルギーを無駄にせざるをえない、ということを示しています。どんなに頑張っても7割の効率が理論上の限界なのです。だからこそ、エネルギーの問題は難しいとも言えます。
永久機関が可能ならば、人類にとってはありがたい話なんですけどね。でも、そんな虫の良い話はないと熱力学の法則が教えてくれるのです。研究員Aも虫の良いことばかり考えて所長をこき使わずに、大事にしなければ。
熱力学第1法則
熱力学第1法則とは、別名エネルギー保存則。物理学界で最強の法則の一つと言われています。| 自然界におけるエネルギーの総量は一定不変に保たれる |
ただ、これだけのシンプルな法則です。エネルギーというものは熱になったり電気になったりと形を変えます。クーラーが部屋を涼しくする仕事をするのもエネルギーの一形態。自然界のエネルギーは、増えも減りもしないというのです。
永久機関
そして、永久機関とは「外部から燃料やエネルギーを与えなくても永久に仕事をする」機械のことです。熱力学第一法則から考えると、「燃料を与えない機械」はどうなるでしょうか?初めに機械に貯えられたエネルギーをだんだん消費しながら仕事をして、最後には止まってしまいます。だから、永久機関は熱力学第一法則によって否定されてしまうのです。夫は永久機関か否か?
もっと直感的に理解するために、研究員Aのダンナ様、カソウケン所長に例えてみましょう。「研究員Bの寝かし付け、よろしくね」「今日は疲れたから洗い物お願い」「あした燃えるゴミの日だから」と所長に夢の永久機関として働いていただくと、どうなるでしょうか。結果は容易に想像がつきますよね。エネルギー切れを起こして体調を崩したり、はたまたお仕事に使う分のエネルギーまで消費して本業がおろそかになってしまいます。哀れな所長。彼も永久機関ではないのです。まあ、実際の所長の様子はみなさんのご想像にお任せするとして。所長には休息や研究員Aの優しい言葉が必要になるのです。優しい言葉がエネルギーになりうるかどうかはかなり疑わしいところですが。
第2種永久機関
実は、永久機関には2種類あるのです。所長の例で説明したものは「第1種永久機関」。こちらは、熱力学第1法則によって否定されるものです。もう一つは、「第2種永久機関」。第2種永久機関とは、熱を全て仕事に変える機関です。言い換えれば、効率が100%の機関。実は、これは熱力学第2法則からあり得ないのです。ちなみに、熱力学第2法則は「エントロピー増大の法則」でご紹介した法則です。こちらの永久機関を騙ったものは仕組みが複雑です。熱力学第1法則は満たしているだけに、その間違いを見抜くのは困難になります。ちょっとやそっとじゃわかりません。
効率が100%の機関があり得ない、ということは何を指しているのでしょうか。つまりどんなに効率の良い発電所を作ったとしても、何割かはエネルギーを無駄にせざるをえない、ということを示しています。どんなに頑張っても7割の効率が理論上の限界なのです。だからこそ、エネルギーの問題は難しいとも言えます。
永久機関が可能ならば、人類にとってはありがたい話なんですけどね。でも、そんな虫の良い話はないと熱力学の法則が教えてくれるのです。研究員Aも虫の良いことばかり考えて所長をこき使わずに、大事にしなければ。
参考文献:演習「物理化学」 渡辺啓著