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内田麻理香プロフィール
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統計が面白くなるまで

「科学が好き」の一念だけで理系に進学した私は、一貫して理系科目が苦手だった。特に鬼門だったのが数学。その中でも、最もよそよそしい態度をとられたのが「統計」だ。どこが面白いのかさっぱりわからず、分散・中央値などの用語を丸暗記して受験に挑んだ記憶がある。このような勉強法で身につくはずはなく、一向に統計は私に振り向いてくれなかった。大学の研究を通じて、統計を利用する場面に接することができた。データの処理には必須だからだ。しかし「役に立つ」ことはわかったものの、私と統計との間には未だ一定の距離があった。

先日、神永正博氏の不透明な時代を見抜く「統計思考力」を読んだ。数学・情報の研究者による一般向けの統計の入門書である。この本を通じ、仲良くなれないと諦めていた統計が一気に身近になった。私たちが気になる事柄、例えば「若者の読書離れは本当か」などをテーマにし、統計を使って確かめていく。そして、単なる数字にしか見えなかったデータが自ら語り出すように感じる。統計はそんなデータを扱う便利な道具だが、人を騙すこともできる諸刃の剣なのだ。

どんな分野でも(1)興味がない(2)役に立つことはわかる(3)面白いと感じる、という段階があり、各々の間に壁が存在すると思う。(1)(2)間より(2)(3)間の橋渡しの方が困難だというのが個人的な実感だ。それだけに、後者の役目を果たしてくれる「何か」に出会うことは幸運であろう。

平成21年4月28日(火)掲載

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