お台場にあるサイエンスミュージアム、日本科学未来館では「お化け屋敷で科学する!」という企画展が開催されている。意外なところから科学を結びつける試みは大好なので、偵察に行ってみた。前半はごく普通のお化け屋敷だった。周囲にいた女子中高生は、楽しそうに「きゃー」と怖がっている。
勿論、ただのお化け屋敷では終わらず、後半は「恐怖」を脳科学的にわかりやすく解説した展示が用意されていた。たった今感じたばかりの感情を読み解いてくれるのだから、その解説を読むのも身が入る。
恐怖は情動を司る原始的な部分である「扁桃核」によって生じるらしい。この怖い、と思う感情のおかげで、人間は危機を回避することができる。また、この扁桃核は、記憶を担当する海馬という部分の隣にあるため、「情動」は「記憶」と密接に関係している。楽しいと感じたことは記憶に残りやすく、怖いと感じたこともまた同じなのだ。人間は理性が発達しているとはいえ、所詮は動物。原始的な情動を侮ってはいけない。
この解説の展示を見ながら、ふと気がついた。このように恐怖を感じたあとは、記憶は定着しやすいのではないかと。その意味でも巧みな企画展だ。そして、素直に「きゃー」と叫ぶことのできる女子中高生は、私よりもこの解説が頭に残ることだろう。感情に素直で、感受性の高い若い人が、物事の吸収が早いのも当然の話かもしれない。
平成21年5月19日(火)掲載