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内田麻理香プロフィール
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科学の扉開く小説

  「科学者」イコール「白髪・ボサボサ頭・白衣・おじいさん」。これが大方の人の頭に真っ先に浮かぶ科学者像だろう。しかし、そのステレオタイプが変わりつつあるらしい。それはTVドラマ・映画の「ガリレオ」シリーズで登場する物理学者を演じた福山雅治氏の影響が大きい、と方々で耳にした。

 「ガリレオ」の原作は、東野圭吾氏の小説である。このシリーズの代表作「容疑者Xの献身」は、直木賞受賞作の有名な作品だ。私の中では「泣ける」ミステリーという特殊な位置づけにある。それだけではなく「科学の本」としても楽しめてしまう。天才数学者と天才物理学者の対決という設定だけに、随所に科学の要素が散りばめられている。「数学と物理」「理学と工学」の相違などは、短い文章でさらりと描かれているが、本質を突いていると唸らせられた。作者の東野氏が、工学部出身・技術者だった履歴も関係しているだろうが、ご本人の本質を見抜くセンスに因るのだろう。

 書店の理工書の書棚は、科学好きな「特殊な」人がわざわざ出向くコーナーである。その住人の私が言うのもおかしな話だが、人気(ひとけ)の少ないマイナーな場所だ。しかし、小説のコーナーはそうではない。しかも、映画・ドラマ化された作品は、書店の特等席を占めることになる。

 「ガリレオ」シリーズで、科学の重い扉が開いた人もいるだろう。科学を応援する身としては、あちこちに科学の入り口がある状況が嬉しい。

平成21年4月14日(火)掲載

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