映画「20世紀少年 第2章」が1月末から公開されている。これは浦沢直樹氏の漫画『20世紀少年』の映画化作品。著者と原作の大ファンである私にとっても、期待を裏切らない実写版だった。
この漫画の舞台は過去と未来を行き来するが、土台となるのは大阪万国博覧会があった1970年前後だ。ここでは、当時の人々が万博の標語「人類の進歩と調和」に希望を託す姿が描かれている。それを科学技術が実現してくれる、と期待していたようだ。子どもたちは無邪気にロボットなど「未来の先端技術」が登場する空想物語を作って盛り上がる。しかし、約50年後。大人になった主人公格の2人はこう呟き合う。「俺達の空想が現実になると…」、「こんなもんだ」。
無粋な深読みをしてみよう。この漫画の副題は「本格科学冒険漫画」だ。しかし、副題とは裏腹に、その科学への「がっかり感」が作品の根底にある気がしてならない。確かに鉄腕アトムが誕生するはずだった年から5年たってしまった。当時の子どもたちが空想した21世紀像と現実には、大きな落差があるだろう。少し遅れた世代の私もそう感じる。
でも、堅実に、確実に、科学技術は進歩を遂げている。技術の粋の集合体・携帯電話が身近になって我々の生活は一変した。これを誰が想像し得ただろうか? そして何より、かつての20世紀少年少女らは、現場で夢を持って冒険し続けているのだ。
そのことを「21世紀少年少女」たちに伝え、繋いでいきたい。
平成21年2月24日(火)掲載